中標津を代表する和菓子屋

標津羊羹にザラメをまぶした“羊羹あられ”
羊羹は小豆(黒い豆)を使って作るのが一般的ですが、標津羊羹は一味違います。通常は中にゆずや抹茶を入れるために金時豆(白い豆)を使ってあんを作ることが多いのですが、標津羊羹はその白あんをあえて使っているとのこと。
豆の味を楽しむ羊羹として生まれたと伺って驚きました。
なぜ白い豆が小豆を使っている羊羹と似ている琥珀色になるのか?

金時豆の中をこした“生あん”
その秘密はアミノ酸(金時豆)と糖を熱することにより起こると言われているメイラード反応。この反応が起こることにより、色が琥珀色になるのです。
しかし、あんは練りすぎても固まらないですし、火を入れすぎても焦げてしまいます。標津羊羹は独自の製法でその反応を起こしているんですね。
この地域で愛されるものを作りたい

お話を伺った標津羊羹本舗 長谷川さん
北海道には、お赤飯にはあまい金時豆、茶わん蒸しには栗の甘露煮、砂糖をまぶしたフレンチドックと、本州に馴染みのない独自の食文化があります。
普段食べ慣れて、おいしいと思うものを知り合いに教えたくなる・・・標津羊羹本舗は地元の人が普段使いし、愛されるものを作りたいと考えられています。
大人になったときに懐かしく感じるものを
日本ほどお菓子の種類の多い国は世界にありません。
それぞれに材料を生かして、形、色、匂い、味、舌ざわり、季節感など絶妙な違いのお菓子が様々な地域で作られており、お菓子と人とがみな故郷を持ち、思い出を持っています。
この地域の子供たちは大学や専門学校がないので、高校を卒業して親元を離れます。
実家からの荷物と一緒に標津羊羹が送られてくると食べ慣れた羊羹でふるさとを思い出すことができます。
羊羹をとおして“ふるさと”を思い出してもらうこと、それこそ標津羊羹本舗が大切にしているものなんですね。